shonblog’s diary

日々感じたこと。日記。思想。精神。宗教。自然と人。人間の構造をわかりにくい文章で探求していきます。

世の中はどんどん豊かになっているが、心はそうはなっていない所以はここにある。

 今我々が生きている時代は手段に溢れ、少し手を伸ばせばなんでも手に入る時代だ。選択肢が多く、その気になればなんでもできる世の中になっている。しかし、それと比例して、人々の心の中も豊かになっているだろうか? 僕はそこに疑問を感じる。情報革命により、今までは知りようもないものまで、何でも情報として知ってしまう。知らないほうが幸せだってこともある。

 人間は感情と理性からなるとても複雑な動物であるから、常に矛盾とぶつかり合う。人は情報を知覚した瞬間にまず、感情を意識する。感情は常に”正直”であるからここに矛盾はない。そして、その後に理性によって咀嚼する。この理性ってやつが”ひねくれ者”である。理性は人と人の間で生まれる。感情は個人の奥深くで生まれる。理性も感情を汲み取るが、100%コピーするわけではない。外に表現されるときそれは、捻じ曲げられ不完全な状態になってしまう。それは、感情は無限であり、表現は有限であるからである。

 人と人とのコミュニュケーションの不都合はこういった連鎖の中で生まれる。感情はいついかなる時でも真実であり、あまりにも広大であり、それを有限の理性で表現しようとすると、どうしても不十分になるからである。だからそれが相手に違った形の印象を与えてしまう。

 近頃のSNSなどでの誹謗中傷や社会の混乱はこうした人間の性であるがゆえに必然的に起こっているのであり、今後も起こり続ける。ではどうすべきか?それは、まずはこのことを受け入れることである。

 世の中はどんどん豊かになっているが、心はそうはなっていない所以はここにある。いくら表現の方法や手段が増えても、人間の精神の構造を理解し受け入れていなければ豊かになることは決してありえない。むしろ逆効果で人々はどんどん貧しくなり、社会はどんどん混乱する。

 だから今後重要なのは、優れた技術でも便利な道具でも夢でもなく、自分自身の心の構造を理解しようとする姿勢なのかもしれない。常に忙しい現代人はこれがとても難しい。常に頭の中が欲でいっぱいで、平安の場所はどこにもないからである。心を知ろうと思ったらとことん頭の空っぽにしなければならない。その時、どれだけ自分の心の中が豊かであるかを知る。