shonblog’s diary

日々感じたこと。日記。思想。精神。宗教。自然と人。人間の構造をわかりにくい文章で探求していきます。

内面的な探求と一つの帰結。

 日々の忙しさからか、この仕事という悪魔のせいなのか、身の回りの情報量の多さからなのだろうか、資本主義によるものなのか、ここ数年間重要なことが心のどこかに埋もれていた。しかしそれは確かに心のどこかにあった。消えてなくなることはなかった。まるで外側の汚れの垢が剥がれ落ちて、中身だけ残ったかのようだ。要は、個人と普遍的な人間についての僕の中での大きな帰着の話だ。僕は大学時代頃からこのことについて深く考えるようになった。なぜだかはわからないが、ずっと人間の内面性に興味を持っていた。僕の周りの人間は、もっと実用的で社会に直結したような外面的なことを話題にしていたが、僕の興味をそそるものではなく、僕にとってはとても浅はかで表面的な事物のように思われて仕方なかった。でも、友達と話題を共有したいがために少しでもそういったことに興味を持とうと勉強したが、せいぜいフリをするくらいだった。逆に僕のこの内面的な興味を話題にすると、理解できる友達がいなかった。だから僕は誰にもこのことを話さなかった。今思えば大学時代はこのような内面的な探求をするには最高の環境だった。友達も少なく、一人でいる時間が長かったため変に精神をかき乱されずに済んだし、時間も有り余るほどあった。さらに僕の材料である本は、図書館で無料で読み放題、何時間いても追い出されることはなかった。このような最高の環境で、僕は自由に内面的な探求にのめり込んだ。心理学や宗教、詩集、小説など様々な分野の本を読み漁った。あんなに分厚い本を読んでいたなんて今では信じられない。そこでひたすら僕は僕自身の中心点に向かっていった。中心になにか括弧とした答えがあると信じていた。その時期はちょうど今後の人生をどのように生きていくかを最初に決める時期でもあったため、僕は求人サイトではなく自分自身の内面にその答えを求めていた。自分は何を望んでいるのか?何をしたいのか?ひたすら自分に問いかけた。毎朝座禅も組んだ。そういった日々を2年間続けた。僕は自分自身が狂いそうになるほど自分自身に問いかけた。そこでついにある結論にたどり着いた。人間の内面的な構造を自分なりに解き明かせた。その見解は今でも変わらない。それは、人は自分で自分を動かしていないということ。そもそもの自分という概念はあまりにもちっぽけであるということ。一人の個人という人間は、一人一人外見も考え方も違う。そのためお互いをけなしたり、あらゆる摩擦を生んでいるのだが、それはすべて無知からくる。たしかに彼らは個々の外面的な知識は豊富なのだが、内面的な知識があまりにも欠け落ちている。彼らはちっぽけな自分でしか世界を見ていない。その自分というものが普遍的なとても大きな存在によって動かされていることに気づいていない。これを神と呼んでも、宇宙と呼んでも自然とよんでもいいが、すべての人間の根源はここにある。ここが出発点だ。そして、ここはあまりにも広大であまりにも深くてそれでいてあまりにも身近な存在であるから僕らはそれに気づかない。だから人間というのは個々で別れているが、内面的にはすべては等しい。境界線がどこにもない。それがあるという人は、とても表面的でまだまだ浅い。そして近ごろの僕はこの状態に陥っていた。幸せを外側に求めていた。しかし、すべては自分の中にあるんだ。永遠の法則は、人の認識を超越している。したがって、僕ら人間はちっぽけである。だから、今感じている恐怖心もとてもちっぽけなのだ。だから、なにかの行動の際にその恐怖心が足かせになっていると感じるのならば、君は、永遠の法則から出発していない。ただちっぽけな自分の声だけを採用しているちっぽけな人間なのだ。恐怖心を感じるなと言っているのではない。そもそも感情は思考よりも先を歩いているから仕方ないのだが。恐怖心はそのままにそれをも通り越していかなければならない。そのさらに奥に永遠の法則があるのだから。おかしな話だがその世界は何もない。何もない、ということがすべてであり真実である。僕はこの結論にたどり着いた。はじめは何か確かな示唆みたいなものが自分の中に眠っていると思っていたけれど、探求していくと、そこには何もない、ということがわかった。逆にいうと、今生きている多様な世界は、このあまりにもシンプルな法則があるからこそ存在しているのかもしれない。僕ら人間は自然の一部であることを忘れてはいけない。したがって、僕らはすべて自然の法則のもとに存在している。僕らの思考はそれを忘れさせるが。

                                                                                                                                      20.02.18